鶴見で沖縄か? 最終回
反省しながら泡盛を飲んでいると、店のマスターがわざわざ自分の座っている座敷にまで来てくれた。
「今日は来店ありがとう。お客さんは鶴見じゃないよね?」
「はい、休暇中で上京しましたが、元々は東京の出です」
「そうなんだ? 今日はライブもなくて申し訳ないね。普段は土日はライブやってるから、次回はぜひライブのあるときに
いらして欲しい」
「ぜひそうします。すっかり店が気に入りました」
「で、どこから上京してきたの?」
「九州です。まあ、鹿児島なんですが…。鹿児島っていうと沖縄でケンカ売られるので…(苦笑)」
「まだそんなことにこだわる沖縄人っているんだ? この店ではそんなこと気にすることはない。なぜなら自分たち(女性店員
は奥さんだった)も純粋な沖縄じゃないからね」
「そうなんですか? どうりでマスターは沖縄顔してないな…って(笑)」
「君は、みやぎまもるさんは知ってるかな? 来週ここでライブがあるんだ。今うちの店で力を入れてるよ。(来店が)来週
だったら良かったのにね」
「あの、また上京したら寄りますから。鶴見へ来て良かったです」
「ぜひ来て欲しい。これは私の名刺だ」
名刺には、
横浜鶴見沖縄ストリートの肩書きが記載されている。
「あっ、自分はインターネットでこのサイトを見て店に来たんですよ」
「それはありがたいな。まあ、運営に携わっているんだよね」
自分も、個人の民謡名刺(笑)を差し出した。
数日間の上京で、孤独の酒であったが、実に胸に染みる良い酒であった。
また来よう、ニセ沖縄・鶴見へ…。
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