去年の10月、鹿児島県の加治木町へ「
島唄フェスティバル」を観に行ってきた。
大島保克や
新良幸人が出演するということで、こんなチャンスはめったに無い!
5時きっかりに仕事を強引に終え(笑)、高速ぶっとばして1時間で会場の
加音ホールに到着。
ロビーは開場を待つ人でごったがえしていた。
でも年配の人たちばかりだ。
「あなたのような若い人(と言われた)がねえ、めずらしいわねえ」
隣の列にいた初老の女性に声をかけられたほど。
「私は沖永良部の出身よ。あなたは?」
「僕は日置市です。島とは特に関係ないのですが、民謡聞こうと思ってきました」
変わってる人ねえ? って思われたのだろうな。
出演者は大島保克や新良幸人のほか、奄美・沖永良部の唄者など計6組。
トップバッターは奄美の唄者・築地俊造さん。を持っている。
でも、右手で持っているバチは、沖縄三線で使う牛のツメではなく、竹の板のようなもので、〝なるほど、これが奄美式なのだな…〟と。
築地唄者は健康ネタの話をしながら熱唱。なんの唄を唄ってるのかは全くわからないのが残念だが、裏声のキレイなこと。嗚呼、これが奄美なのだな…。
わりとおとなしめの唄が多くて、このときはアンコールでの〝すさまじさ〟が予想だにできなかった。
二番目は徳之島の中学生唄者・澤愛香ちゃん。5歳のとき琉球舞踊を始め小学生からは三線を始めという女の子。すでにあちこちの民謡コンクールで数々の賞を受賞しているそうだ。
彼女もこんなたくさんのお客さんの前だと、緊張の色がありありと浮かんでいる。
しゃべりは小声だが、いざ唄いはじめたらこの子も裏声がとても澄んでいる。竹バチのさばき方もうまい。
三番目は沖永良部の女子高生唄者・前田博美ちゃん。16歳だというが、唄い始めたらその太くたくましい声にびっくり! 〝これで高校1年生かよ! 色気ありすぎる…〟
一発でファンになっちゃったね。
石垣島の天才女子高校生・比嘉真優子ちゃんとはまた違った意味で、将来を期待されているようだし、今後も追っかけていきたいものだ(笑)。
彼女のステージでは彼女が唄三線で、少し下がった位置に初老の女性が居て、囃子を入れる。この方は博美さんのおばあさんとのことで、おばあさんの影響を受けて唄者の道に入ったそうだ。「永良部ユリの花」や「サイサイ節」とかを唄ってくれた。
彼女のステージが終わると、固定ファンが付いているみたいで複数の中年男(?)が花束をあげていた(笑)。
四番目は博美さんと同じ沖永良部の唄者・川畑先民さん。沖縄の
知名定男氏が師と仰ぐ方である。
川畑唄者のバチは牛のツメを使っていて、三線の弾き方は沖縄スタイルである。でも、唄は裏声を多用し奄美スタイルである。
奄美と沖縄の中間点に位置する沖永良部島は両方の影響が感じられ、島唄の奥深さを感じるね。
ステージには囃子の女性もいるが、あとで知ったことだが唄者の奥さんらしい。
「まんこい節」のほか沖縄の口説の旋律もあったりと、唄に楽しめた。
川畑唄者のステージのあと、琉球旋律のBGMが流れさっき唄ってくれた澤愛香ちゃんが琉球舞踊を披露してくれ、拍手の中休憩タイムとなった。