青山のお好み焼きやを一足先に後にし、銀座線に乗ってとりあえず新橋まで向かう。
この後会う友人に鹿児島土産を持ってきているのだ。コインロッカーにしまってあるからな。
新橋で一回降りて荷物を取り出し、再び電車に乗って一駅で銀座だね。
待ち合わせ場所はソニービルの入り口だ。ここも昔デートの待ち合わせで使った(笑)。
キャバクラで口説いた女だったが(爆)。
地下道を歩いてそのままビルに直結だね。
30分も遅刻か? 申し訳ないな。
「お待たせ! モネ!」
このブログではおなじみの悪友・モネとの再会である。
モネとは今回「釜飯屋さんに行こう」と打ち合わせしていた。
その釜飯屋は某鳥ぎん(言ってしまったな)だが、並木通りをちっと歩けばすぐだな。
モネは鳥ぎんには行ったことがないようだ。
「モネ! ここがあの有名な“バー・ルパンさ”」
「ポンコツ? ここかい、ルパンは…」
モネは文学少年である。太宰治を始めとする早々たる文豪が
常連客だったというこの店、モネは一度は見てみたかったらしく、
ポンコツの粋な計らい? に感激していたようだ。
「ポンコツちゃん、今度の上京のときはここに入ろう!」
「そうだね。来年すぐ来るサー」
バー・ルパンのすぐそばに鳥ぎんはある。入り口は地下になっている。
日曜日の夜であるが、曜日に関係なくお客さんは多く賑わっている。
テーブル席は空いてなく、カウンターに座った。
僕はここでも当然ビールを頼む。今日何杯目だか(苦笑)。
「ポンコツちゃん、合格おめでとう。乾杯!」
「ありがとう。奇跡が起きたよ。モネの応援のおかげだ」
「いや、ポンコツに実力があったからサー。僕も来年は八重山民謡コンクール、本気出さないとね」
「コンクールは6月に変わったんだよね? あと半年かあ。あっという間だね」
「そうだね。今は長野の兄弟子のところに出稽古じゃないけど研究に行ったりするし、
本気になってきたね」
「それは素晴らしい。俺も宮古民謡モードにそろそろ切り替えたいが…」
「多良間の渡嘉敷先生(仮名)は元気?」
「2月に行ってから全然連絡取ってない。勉強してたし。10月に携帯鳴らしたけど出なかったよ…」
「ポンコツちゃん、これは俺の両親からのお祝いさ。今回の快挙、おめでとうってことで」
モネはご祝儀袋を俺に手渡した。
「いや、そんな、受け取る身分じゃないんだけど…。でもありがたくいただくよ。両親によろしく
お伝えください」
モネの心使いに、心で泣いていたポンコツであった。
持つべきものは、お金で買えない友である。