ポンコツ祝賀ツアー23
カウンターから職人がてんぷらを揚げているのが見える。
「今日のネタはこちらになります」と“現物”を自分たちに見せ、
「きらいなものはありますか?」と聞かれたが、
今回は野菜が中心だし大丈夫だな。
久木崎さんがあれこれ話しかけるが、自分は大先輩でもあるので
なかなか打ち解けず。
なにかネタはないかな? って思って、久木崎さんが喜びそうな話題へ。
「自分もこの10年でけっこう裁判所通いをしましたよ。もちろん悪いことではなくて(笑)」
「そうか、ポンちゃんがねえ」
「自分で訴状や申立書も作成しましたし、破産まで(爆)。で、やっていると
“嗚呼、あのとき久木崎さんがやっていた仕事はこれだったんだな”って思いました」
「そうか、意味がわかったようだね。自分は散々法律事務所で作成してきたから、それをあの会社で
使っただけかな」
銀座のあの会社で一時同僚であった自分たちだ。久木崎さんも自分も今は別の職場であり、
自分は鹿児島に“逃げた”わけであるが、メールや年賀状でのやり取りが続いていたので、
こうやって再会できたのかな?
「ポンコツ? これからが大変だな。ほんとに弱者の気持ちになれるか? 困っている人の相談に乗れるか?」
「そうだんですね(笑)」
「あほ、相談も大事。でも、自分の収益も大事になるよ」
そんな会話をしていくうちに、自分の心は12年前、一緒に銀座で働いていたころに
タイムスリップしていった。
「いやあ、昔の会話と同じですね。今日は再会してどうなるかって思ってましたが。自分も辞め方が
汚かったですから」
「あの会社じゃ仕方ない。それより、今日は君のお祝いだから、まあ食べて。自分も別の国家試験
をがんばるよ。ポンコツに続かないとね」
「やっと自分が目標にされましたね(笑)」
関連記事