また多良間か? たらまー12 上陸
車を返却し、店の人に空港まで送迎してもらった。
さあ、いよいよ半年振りの多良間だな。(嬉)
時間になってプロペラ機は離陸したが、今回は雲の上を飛んでいるようで海が見えない。
着陸寸前になって青い海が見えてきたらもう着陸だ。
今回は進行方向左の席だったから、島が見えなかった。
“嗚呼、また多良間へ来たなあ? たらまー”
空港に着いた。荷物を受け取り、ロビーへ出る。
“ポンコツ君、こっちだ、ようこそ多良間へ!”
との師匠の掛け声を期待していたが、誰も俺に声をかけてくれない。
お客さんの多くは迎えの車で出て行った。
ロビーには折り返しの宮古行きの乗客が居る状況だ。
“師匠は仕事だったよな? 仕事をキリの良い状態にして迎えに来てくれるのだろう…”
しばらくロビーでたたずんでいた。
やがて、出発客もいなくなり、ロビーには俺しか居ない。
カウンターの女性が「お客さん、お迎えは?」
と聞いてきたので「はい、知人が迎えに来ます。ご心配おかけしましてすみません」と告げた。
今4時か? おかしいな?
師匠に電話してみるか?
携帯に電話を入れた。しかし留守番になっていた。
「師匠? 鹿児島のポンコツです。今多良間空港に着きました。仕事が終わりましたら迎えに来てください」と吹き込んだ。
4時半、もう1時間ロビーに居る。誰もいないロビーには備え付けのテレビの音だけが聞こえている。
あれ? おかしいな? 9月1日に来ますと告げたはすだが…。
いくら沖縄人がのんびりしている民族だからといっても、ちょっと変だぞ。
もう一度師匠の携帯へ電話してみる。
「はい、ポンコツ君、こんにちは!」
何も事情がわかってないようだ。
「師匠? 今多良間に着きました。空港で待っているのですが…」
「…」
数秒間沈黙になった
「あれ、ポンコツ君? 今日は9月2日だっけ?」
俺は返事もせず、ただ笑うしかなかった。どうやら明日来るものと思っていたらしい。
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