また多良間か? たらまー16

ポンコツ34@那覇

2006年09月22日 19:30

「道わかりますか? さっきまでは明るかったけど…」
「ええ、こっちへ歩いていけば役場のあたりに出ますから。役場に着けば楽勝です」なんて言いながら本田さんと二人で歩いた。
チャリンコは自分が押して。
♪初めて ふたりで ふたりだけで歩いた あのとき たぶん僕は 君が…
なんて、どこかで聴いた歌を、僕は心の中で口ずさみながら歩いた。(笑)
なんか、ドキドキするね。
さて、歩く方向は仲筋集落の方だとばっかり思っていたのだが、一向に行く先が明るくならない。
あれ、おかしいな。道を間違えたのか?
東に向かっているはずなのだが…。
いつしか月明かり以外見えなくなった。でも、美人の本田さんとふたりなので心細くは無い。
ただ、トイレが近いだけだ。我慢ができない。
チャリンコを置いて、ちょっと用足しをしてきた(苦笑)。
あまりこういう場面は女性の前では見せたくないが…。
「すみません、自分が道を間違えましたね」
「いいえ、良いですよ。いっぱい会話ができるじゃないですか」
嬉しいこと言ってくれるなあ。
「本田さん、二人乗りしましょうか? あんまり遅くなると夕食が終わってしまいます」
「良いですか? 後ろに乗っても。重いかも」
「はい、ぜひ。それだけスリムなら大丈夫でしょう」
本田さんをチャリの後ろにのせて走り始めた。
ビールで頭が多少フラフラしていた自分は、運転もフラフラだ。
「ポンコツさん、腰に捕まっても良いですか?」
彼女の手が僕の腰に回った。何かドキドキするな。
女の人と二人乗りなんて、未成年のとき以来だ(笑)。
「何か、こんなドキドキしたの久しぶり…」
「自分もですよ。ママじゃなかったら、なんてね!」
そのうち、民家が見えてきた。
「この家の方に道を尋ねてきますね」
沖縄造りの平家建ての家の敷地内に入った。
窓が開いていて、初老の男性が泡盛を飲んでいた。
「役場のほうへ行きたいのですが…」
「それは、○○××…」
(多良間弁なので、ほとんど何もわからなかった)
「おとうさん、ありがとうございます」
適当に礼を言って再び歩き出した。本田さんが心配だったが、疲れてはいないようだ。
少し歩くと消防署が見えた。明かりも付いている。
消防署の敷地内へ入ったが、誰もいないようだ。
「すみません…」と声をかけるが、反応はないね。
まあ、良いや。歩こう。
辺りは真っ暗。消防署を抜けてふとあたりを見渡すと見慣れた景色が…。
「ああ、ここは市街地への入り口だ。もうわかったぞ!」
迷いながら来た道は、島の内陸へと通じていたんだね。
宿まではあと1分くらい。
もうちょっとふたりの時間があっても良かったんだけど…。

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