9月4日。今日で多良間とお別れだ。
頭痛の状態ながらも、朝食を食べる。
自分が食べていると、あの美人の本田さん親子も食事にやってきた。
「今日で帰りですね、あっという間でしたね」ってな会話を軽く交わし、
部屋へ戻り荷物をまとめる。
作業着とか足袋とかは、ゆうパックで送ってしまおう。
荷造りをしていたら、携帯が鳴った。美和子ママだった。
「ポンコツ君、一便で帰るんだよね? 10時ごろ送っていくから宿の前で待っててね!」
昨日飲んでいたわりには、元気だな(笑)。
9時前になった。郵便局へ荷物を出しに行こう。
市街地(?)まで数分歩いて、荷物を出した。
まだ10時までは時間がある。部屋で昨日教わったことを復習しよう。
部屋で三線出してつまびいていたら、本田さん親子がやってきて自分の練習姿を眺めている。
三線持って宿のろうかに出たら、「ポンコツさん、写真を撮らせて戴いてよいですか?」
とのことだった。
「ええ、良いですよ。何か恥ずかしいですね」
と応じた。お嬢さんは歌手のAiko似で、やっぱりかわいい。
交代交代で撮ったので、3人が一緒に写らない。
美人ママは廊下の端っこに居た男性に声をかけ、Aikoちゃんに自分の三線を持たせて
3人が一緒に納まった。
「ありがとうございました。良い思い出になりました」とのことであったが、それは自分も同じ。
またいつか再会を期待しています。(写真も出来たら欲しいのだが、連絡先を聞かなかったのよね)
10時前、美和子ママが迎えに来た。今日は酒を飲んでいないようだ(笑)。
「ポンコツ君、飛行機は11時ごろだったよね。まだ時間あるから島を回ろうか?」
美和子ママは車をパティオのほうへ走らせ、やがて海岸道路へと出た。
「ポンコツ君、どっか寄りたいところある?」
「多良間しゅんかにの銅像を案内してください」
ママは「わかったわ」とのことで、あっという間に銅像に着いた。
銅像は歌の歌詞のとおり、主人を見送る妾と、妾に手をつながれた子供の姿なのであるが、
自分は「坊主がまさうきよ…」って歌詞から、この妾は子供を抱っこしているものと思っていたので、
ちょっと予想外ではあったな。
再び車に乗る。初日も過ごした海浜公園を抜け、やがて車は空港へと南下していく。すれ違う車は全くない。
一年前、モネとドライブしたときと変わらない。
やがて空港に着きそうになったが、美和子ママが「ポンコツ君、まだ時間あるでしょう? 走りましょう」
と言って、さらに車を南下させた。やがて車は多良間漁港に着いた。
車を降り、ママと適当なことをしゃべっては海を眺める。この海の向こう側は石垣島。
モネや、石垣島のあの娘が居るんだなあ…。
嗚呼、石垣島へまた行きたいなあ。
「私も来年石垣島へ行く予定があるんだよ」ママが言う。
「モネによろしく言っておいてください」
「そうね、モネ君もまた多良間島に来れば良いのにね…」
そろそろ時間も迫ってきたようだ。空港へ戻ろう。