もう多良間か? たらまー7
「ポンコツ君、多良間に何度も来てるけどね、まだ君の知らない多良間があるサー! 案内しよう」
「楽しみですね」
師匠は、美和子ママと違って飲酒運転はしないだろうから(笑)、安心して助手席に乗っている。
島の南西部になるのだろうか、大きな石油タンクが見える。
「これは、石油の備蓄基地さ、多良間島のエネルギーだね」
石油タンクを通り過ぎ、誰のかわからぬさとうきび畑の道路に師匠の車は進んだ。
道は雑草が生い茂り、幅員も心なしか狭く感じる。
誰も通行していないようだね。
その道路を抜けると、道端には大量のごみが捨てられていた。
粗大ごみだ。不法投棄って奴だな?
「ポンコツ君、これも多良間島の現状だよ。良く覚えておきなさい」
「はい、師匠。ひどいことする奴が多いですね」
「ポンコツ君、物を捨てるときは名前のラベルを剥がしたり、消したりするんだよ」
「はあ? それはいかんですよ(爆)」
どこまで師匠の話はまともに受け取って良いのか、いつもながらの大ボケ全開だな。
車は不法投棄の現場を過ぎて、いつしか小高い丘を昇っていた。
「ここは、ごみの焼却場だね。多良間島にもあるサー。合法的な場所サー」
ここも大量のごみが捨てられていて、見ていて気持ちの良いものではない。
でも高台からは島が見渡せる。
天気が良ければ見事な風景なのだろう。
「さて、ドライブはこの辺で良いだろう。小屋へ行くよ」
ボロ車は掘っ立て小屋へと向かった。
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