それでも宮古か? 多良間か? たらまー31
9月3日。月曜日。
今日は鹿児島に戻る日だ。
いつものことだが、月曜日っていうのが、帰宅の日になっているね。
一便までは時間があるしギリギリまで寝ていようと思ってたのだが…。
師匠から携帯が鳴った。
「ポンコツ君! 早く起きなさい! 何してるの?」
さっぱり意味がわからない。
「昨晩、色黒の中年男と約束したでしょう? ドラゴンフルーツもらって帰るって!」
「はあ?」
酒に酔っていたのか、まるで覚えていない。
「師匠、色黒の中年男の家は、あの美容室でしたよね? 直接行きますがあ(鹿児島弁で)」
「ポンコツ君、畑で待ってるとのことだよ。夢を今そっちに向かわせるから待っていなさい!」
師匠がいつものギャグもなく、やや不機嫌な口調で電話を切った。
慌てて着替えて外へ出たら、夢が車でやってきた。リリーも一緒だ。
「ポンコツ? ドラゴンフルーツの話聞いてたよね?」
「いやあ、自分は何も聞いてないサー」
夢が車を走らせる。すぐ近くの保育園に着いた。
「ポンコツ? ちょっと待っててね。リリーを預けてくるから」
夢はリリーを保育園に連れて行った。
なかなか戻って来ないが…。
10分くらい待って、夢が戻ってきた。
「ごめんね。リリーがいつものことなんだけど、泣き出しちゃって! あいつ、この世の終わりかみたいな感じで泣くからサー!」
「ママと離れるのが寂しいのサー」
車はキビ畑の方向へ向かって行った。
関連記事