多良間経由宮古でコンクールか? たらまー15

ポンコツ34@那覇

2008年07月27日 07:15

エアコンもない、まさにボロと言ってふさわしい案内所で乗船手続きをする。
古びれたノートに名前と住所を書くのだが、みんなまともに書いていない(呆)。
このあたりも多良間のおおらかさが出ているな。
建物の外では、地元の中学生が10人程度だが、きちんと整列して先生の話を聞いている。
どうやら壮行会をしているようだ。
あだんの人が「宮古で陸上大会があるサー」って言っていたのは、これだったんだな。
話が終わって、拍手が聞こえてきた。
ポンコツ君は、遠巻きにその光景を見ては、リリーを抱っこしている。
この子、さっきから抱っこを求めてくる。
2年前に来たときは、男の子と間違えて大ひんしゅくを買ったが、
今は3歳になったのかな、女の子らしくなってきたね。
「あら、リリー? パパに抱っこしてもらってるね」
多良間の人は、どうやら俺をパパだと思っているらしい。
「リリー、おじさんは(俺のこと)疲れたから抱っこおしまいね」
って何度も言ったけど、リリーはすっかり甘えちゃって、ちっとも
ポンコツのそばを離れない。
結局、乗船してもだね。
うーん、この子確か、本当のパパのことはほとんど知らないはずなんだな。
その事情は詳しく知らないし、ここで書くわけにもいかないだろうが、
ポンコツ君を一瞬、パパって思ってくれたのかな…。

2時半になって、定刻通りにフェリーが出航した。
思ったより、多良間からも乗客が多い。
船内のシートに腰掛ける。
この場でもリリーはポンコツに抱っこされたままだ。
すると、師匠が「リリー、ねんねしましょうね。ポンコツ君から離れなさい」
リリーはすっかり俺が気に入ったみたいで、愛くるしい笑顔をポンコツに向ける。
数分経って師匠はさすがにしびれを切らしたのか、リリーを強引に自分の元へ引き寄せ
「リリー、いつまで甘えてるの? みんなちゃんと自分の席に座っているでしょう! この人(俺のこと)
あなたのパパですか!」
とリリーを叱りつけた。
リリーは、泣き出してしまい、船内に泣き声が響いて、これぞ寝た子を起こしたようなものだな。
「師匠、別に自分は良かったですけど」
と言ったが、師匠は「ポンコツ君、少し昼寝しましょう」と
言い、いびきをかき始めた。
自分は寝る気はなかったので、デッキへ繰り出した。
美しい多良間島は視界から離れていく。
“また来年だな、多良間”

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