「ところでポンコツちゃん? それだけ沖縄通ってるんだったら、もう移住しちゃえば?」
「そうですね。実は移住を考えていて、いろいろと計画はしてますよ。今はお金を貯めて、スキルも身につけて…」
「なるほどね。それでいろいろしてるんだ?」
「移住するからには、逃げ帰ったりしたくないのね。まあ、実際はわからないけど」
「で、ポンコツちゃん? 病気の弟さんは状態はどう?」
「いや、全然変化ないですよ。元に戻れないのがわかりきってしまってるし。今は両親と交代で病院通いしてるけど、
両親もだんだん年齢を重ねてくるとね…、車だっていつまでも運転できないだろうし、疲れも出るだろうから」
「そうだね。ポンコツちゃんが居ないと、大変な状況になるね」
「それで自分もいろいろ思っているのですよ。沖縄移住は自分の夢だし目標だから絶対に実現させたいけどね。
家族を裏切るの? ってことだし。今まで結婚しなかったのもそれですよ。誰が病人抱えてる家に来ますか(苦笑)。
回りは好き勝手に言うけどね」
「ポンコツちゃん、どうするよ? いつか重大な決断をしないといけないね。まあ君のことではあれど、病気の弟さん
置いていっちゃうのかい?」
「自分が一番恐れているところは、両親が今は健在だから良いけど、二人とも他界して弟が残された場合さ。
誰が面倒見るって…」
「ポンコツちゃんは妹さんも居るよね?」
「でも関東だからね(苦笑)。相手のダンナさんも居ることだしね。これがポンコツの2011年問題ですよ」
「そうか…。もう回復はしないのかい?」
「1級障害者ですし、寝たきりですからね」
まあ、私の弟は重篤患者で病院で闘病中である。
病名は控えたいが、まあ常時介護が必要なのだ。
私ポンコツは、2011年には沖縄移住をと思っていて、今それに向けていろいろ逆算して
動いているわけだが…。
全く話は変わるが、上越新幹線には2014年問題っていうのがある。
それは何かというと、2014年に北陸新幹線が金沢まで開業すると、(今の長野新幹線が延長するんですね)
上越新幹線の新潟までの本数が現在の半分以下に削減されてしまうのではないか?との問題である。
それはどうしてかというと、現在富山や金沢方面に向かう人は上越新幹線で越後湯沢? まで乗って
そこからほくほく線→北陸本線の特急に乗っていくわけ。
それが、新幹線が延長すれば、そのまま新幹線が使えるから、もう上越新幹線に乗って
乗り換える必要がない。
新潟方面や羽越本線に乗り換える人だけしか利用しなくなる。
乗客が減れば本数は削減されるよね。
これに危機感を抱いているのが地元の自治体だ。
いろいろ対策は考えているようで、新潟から在来線に直通する案(山形新幹線みたいに、レールの幅を改良して
新幹線車両をそのまま走らせる方法)も有力視されているらしいが…。
話が脱線したね。(ポンコツも鉄道オタクなので)
ポンコツの沖縄移住は、まさに2011年問題なのね。
松さんとの会話は、ほんと現実を直視しないといけなくなって、泡盛の量も増すってところか?
「ポンコツちゃん。そろそろ帰ろう。俺は明日は仕事だ。次回は湘南の俺の新居へ来てくれよ」
「松さん、明日仕事なのに長時間ありがとう」
気が付けば時計は10時半だった。4時間半飲んでいたんだな。
松さんとの会話のひとときは、鹿児島では味わえない至福の時だった。
今日は、沖縄好きのモネといい、松さんといい、沖縄病の俺に
付き合ってくれたことが何より嬉しいことだった。
鹿児島でも、もう少し頑張るかな。
ってなわけで、つかの間のニセ沖縄を堪能できて良かったね。