ペンション・あだんにて早速チェックインだな。
「こんにちはあ。今日からお世話になるポンコツです」
「嗚呼、ポンコツさんね。あなた前も来たことあるよね? 確か渡嘉敷さんの…」
「です。弟子(のつもり)です」
「どうりで三線持っているなって思った。いつまで滞在?」
「月曜の一便までです」
宿泊料を払い、部屋に入って作業着に着替えたらさっそくテレビだな。
オリンピックでも見て時間を潰そう。
と思ったら、早速師匠からの携帯だ。
「ポンコツ君? 準備は出来たかね? すぐに稽古場に来なさい!」
「マンション(笑)のほうですか?」
「いや違う。オバアの家の裏のことだよ」
稽古場へ向かう。
「師匠? ここですかあ。失礼します」
稽古場に入ったが、昔の道場のような雰囲気がなく、なんか生活感を感じるが…。
「ポンコツ君、まあ上がりなさい。今はここで寝泊りしてるのさー」
「マンションは引き払ったのですか?」
「夢夫婦がそのまま“残留”している」
普通は逆じゃないかあ…って思ったが、家庭内にこれ以上立ち入るのはやめよう。
「食事はどうするかね? おいしい定食を食べたいと思わないかね?」
二日酔いなんで、できれば消化の良いものを…って思ってたが、
「定食食べに行くぞ! 来なさい」
と言われ、連れて行かれたのはとある定食屋だ。
数年前までは居酒屋だったようだが、自分が多良間に通いだしたころからは
確か潰れていたがね。
「新しいオーナーが見つかったんだよ。夜は居酒屋になる。夜も来ないとね。
で、私は魚の煮付け定食にする! ポンコツ君も同じで良いか?」
少し考えて、「師匠?実は二日酔いでして、宮古そばにします」
注文し、師匠は店員にくだらないギャグを飛ばしながら
ブツブツしゃべっている。
しばらくそれを聞いていたが、「ポンコツ君。午後は婿殿にも加勢をもらって
キビ狩りをしよう。一揆いや一気に終わらせるぞ! 君はキビ狩りしたことあるよね?」
「そうですね? 数年前にですが…」
「婿殿はキビ狩りのプロだ。君はサポートで良い。そんなにきつくないサー」
食事が運ばれてきた。食べるとしよう。