多良間に居るのか? たらまー33
製糖工場で美和子ママとだべって、それから島を自転車で走り回っていたら、
もう夕方だね。
洗濯物を洗って干していくか?
洗濯を干していたら、もう夕食のお時間だ。
今日も相変わらず量が多い。食べきれるかな?
食べていたら、“ペンション”の階段の音がばたばた聞こえて
食堂にたくさんの職人たちがやってきた。
多良間に長期滞在している現場の人のようだ。
特に会話をすることもなく、黙々と食事をする。
食べ終わったら、部屋に戻ってオリンピックでも見よう。
部屋に戻ってテレビを見ていたら携帯が鳴った。
美和子ママだった。
「おい、ポンコツ? 何してるの? 飲むんじゃなかったの? 今日はすぐ近くの
〇〇さんの家に居るから、すぐおいでえ」
「〇〇さんって言われてもわからないですよ」
「あだんを出て、渡嘉敷家に向かっていくでしょ? ほんの100メートルくらいで、どんちゃんさわぎしている
家があるから、わかるって! すぐおいで!」
「わかりました」
冷蔵庫からオリオンを取り出し、持参しよう。
あだんを出てすぐって言ってたっけ? 嗚呼、あれか?
がやがや人の叫び声や歌が聞こえるね。
ここだろうな、きっと。
庭に入る。
「こんばんはあ」
「おお、ポンコツ! さあ、飲むよ!」
美和子ママが声をかけてくれた。
家の中を見ると、10人くらい老若男女が居て赤ちゃんも居て
食べたり飲んだりだが…。
顔の真っ赤なオッサンが居るが…。
あれ? 師匠じゃない?
師匠は俺に気が付いたようで、一瞬で顔が正気に戻った。
あの変化は忘れられないな(笑)。
「ポンコツ君! どうしてここに居るの! すぐ上がってきなさい!」
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