2月18日、二日目の朝になった。気分の悪い朝だ。
昨日の怒りが消えないね。
鹿児島と、そんなに相容れないものか?
四大都市圏を除けば、一日に複数の航空便を運行している都市は鹿児島だけである。(但し使用機材は小さいがね)
お互い観光需要は旺盛なのだ。
その昔、鹿児島の奄美から与論島までは琉球の領土だった。
薩摩の侵略で、奄美から南は強制割譲させられた。
という楽器は、沖縄から奄美を経由して薩摩へ上陸し、それが大坂に伝来して三味線楽器として隆盛を迎えたらしい。
ただ、は俺が住んでいる薩摩半島では、ほとんど眼にすることがない。
奄美での三線プレイは、バチが竹細工になっているが、沖永良部や与論では
沖縄本島と同じ水牛の角である。
唄であるが、奄美では裏声を多用したスタイルが主流だが、沖永良部以南では琉球の口説の旋律もそのまま用いられている等、沖縄の色が濃く残っているようだ。
(これは、自分が去年加治木町で観た奄美・沖縄島唄フェスティバルでの唄者たちのライブでの一面で感じたことだ。後日、詳細を書いてみたい)
今後沖縄に来て、昨日みたいに絡まれたらどうしようか? 「東京出身です」って言えば良いかな?(笑)
ホテルで朝食を取る。ロビーの奥に休憩室があって、パンとコーヒーだけであるが、無料である。ここではゆったりとした時間を過ごすことができる。
ホテルはこじんまりとしているが、料金も手ごろで、フロントも愛想が良い。
宮古島へまた来たときも世話になろうか?
タクシーを手配する。ホテルとタクシー会社が提携を結んでいるらしく、【シャトル便】と称して1000円で空港まで運んでくれるようだ。
通常だと1200円~300円はかかるようだ。こういった小さな親切が嬉しいものだ。
宮古空港に着いた。チェックインして、さあ、再び多良間か? たらまー!
今日も宮古はが降っている。多良間島の天気もあまり期待しない方が良いだろう。
プロペラ機が離陸する。に覆われて海はまったく見えない。たった20分のフライトであるが、結構揺れる。
着陸のアナウンスが流れ、窓から外を見ると楕円形をした多良間島が見えた。
〝嗚呼、多良間へ戻ってきたんだ…〟
5ヶ月ぶりの上陸である。
トラックで運ばれてくる荷物をロビーで待っている。
ジャージ姿でフライトを待つ女子中学生が見える。10人くらいいる。
地元の娘なのだろうか? あれ、ゆまちゃんに似ている娘がいる。
ひょっとして俺とは行き違いになるってことか?
そんなばかな? 俺はゆまちゃんの唄三線を聴きに来たんだぞ!
どういうことだ?
その娘に話しかけるわけにもいかず、俺は荷物を受け取りロビーを後にした。
若干小雨が降っている。どんよりとした空だ。
ターミナルでは、ディーゼルエンジンの音を轟かせたマイクロバスが待っていた。村の有償運送である。前回の旅で出迎えてくれたモネはもう、多良間島には居ない。師匠とも特別連絡はとっていない。
とりあえず、これに乗って市街地を目指そうか。