この道を行けば、那覇へ宮古へ…14

ポンコツ34@那覇

2007年07月11日 22:09

ゆまちゃんの次は、多良間のお弟子さん。
中年の男性である。
足が悪いようで、杖を突きながら歩行しているのが気になるが…。
案の定、椅子が用意され座っての演奏となった。
師匠は引き続き伴奏をするようだ。
男性は、「豆が花」を歌い始めた。
しかし、「あー ああ きーいー しゃーあ るー♪」と歌う箇所があるのだが、
息継ぎが難しいのか、つっかえてしまっている。
重信先生も、「ここは苦しいかね? ここの息継ぎがスムーズだと言うことないのだが…」
とアドバイスをしている。
中年男性は2回「豆が花」を歌った。
終わってからも、「あー ああ…」と何度も繰り返している。
師匠は「ポンコツ君、君の番だ。ステージに上がりなさい」と声をかける。
三線片手についにステージに上がった。
どうなってしまうのか…。

師匠が引き続き自分の番でも伴奏をしてくれるようだ。
ふたりでキーを調整し「豊年の歌」を歌い始めた。
しかしながら、歌い始めたとたん、師匠から「早い!」と言われてしまった。
ペースを落とし、演奏を続ける。
2番になって難しい発音に気を遣う。
再び師匠が「早いよ、早い!」と再度注意をする。
何とか終わった。
今度は重信先生が、「君? それ“三”で歌ってるのかね?」と聞いてきた。
三? はて? と一瞬思ったが、嗚呼、これはキーのことなんだな? と思った。
ここに、チューナーでちんだみしていることの弊害が出たなあ…。
「いや、Bで合わせてます」と答えた。
「君の声聞いてると、もっと出るはずだよ。五か六にしてみなさい」
五とは、Cで、六はCシャープか? 声出るかなあ。
ちんだみを五に合わせる。師匠も合わせてくれた。
「五でもう一回歌ってみなさい」と重信先生は言った。
はじめようとしたら、今度は師匠が「ポンコツ君、本番だと緊張して早くなってしまうから、とにかくゆっくり弾きなさいね。
三線は間違えても良いんだ。歌に集中しなさい。そのために私が伴奏しているのだからね」
二度目の「豊年の歌」だ。あれ? 五でも声が出るね。気のせいか、声の抜けも良いよ。
意外だな、俺。それなりに声出るじゃないか?
歌っていくうちに、ギャラリーの反応も良くなっているのがわかる。みんな俺に集中し始めたからね。
歌い終わった。
重信先生は「うん、上等だな。明日も五で歌いなさい」と言ってくれた。

俺の後は、もう一人多良間のお弟子さん。こちらは自分よりは年下だろうが、もろ沖縄顔で
やや老けて見える、学校の先生をしているそうだ。
この方も自分と同じで、今年は新人賞を受験するそうで「豊年の歌」を歌うようだ。
師匠が、「ポンコツ君、今度は君が伴奏をしなさい」とのことで、
引き続き、学校の先生と自分とがステージで豊年の歌を歌った。
学校の先生も「君も五に上げて歌いなさい」と重信先生に指摘されていた。

多良間の受験者(俺もだが)が一通り、重信先生のチェックを受け終わった。
次から次へと、別の研究所の生徒たちが集まってきては、
先生のチェックを受けることになっているようで、
狭い研究所内は満席となってしまった。
師匠は、「ほかの生徒さんたちに迷惑になるから、多良間組はこれで終わりましょう。夕ご飯を食べに行きますよ」
とのことで、三線をケースにしまい、研究所を後にした。

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