この道を行けば、那覇へ宮古へ…15

ポンコツ34@那覇

2007年07月14日 20:02

研究所を出て、師匠や多良間のお弟子さんたちは車に三線を積みこんでいる。
自分は宿が近くのなので持って帰ろうとしたが「ポンコツ君、君の三線も積みなさい」
と師匠に言われた。
「宿で練習したいのですが…」と言うと
師匠は「ポンコツ君、今から練習しても欠点が目に付くだけです。君は明日の本番も大丈夫だろうから、
車に三線を積みなさい。これから買い物もありますよ」
と自分に言った。
三線を積み、さっき美和子ママが乗っていたポンコツ車に師匠やゆまが
乗って、自分はさっき「豆が花」を歌った“中年男”の車に乗った。
師匠の車は平良の市場通りを少し進み、すぐ左に曲がった。
宮古島の平良市街は、一歩車を中に入れると、道が細くって
車を停めるのも大変だ。
“この辺の飲み屋へ行くのかな?”
しかし、師匠の車は中央通りで左に曲がって、西里通りをまた左に曲がって、
で、市場通りでまた左に曲がって…で、前に俺がやった“ぐるぐる状態”になってしまっている。
師匠の携帯へ電話を入れるが、なぜか電話に出ない。
“駐車場なら近くにあるのに、何やってるんだ?”
再び市場通りを左に曲がって、細い路地を進み、歩道に車を乗り上げて停まった。
「いやあ、店が移転してたねえ。参った。でポンコツ君、明日の衣装は用意してあるけど、
肌襦袢がまだだ。ここで買いましょう」
車を降りた。
古い着物店である。宮古上布や八重山のミンサー織を始め
いろんな着物が飾ってあるねえ。値段もびっくりするくらい高いがね。
いやあ、ここにある着物を着たら自分も民謡唄者っぽくなれるかな?
「ポンコツ君、君のサイズはLかね、Mかね?」
「Lです」
「そうか、これを着てみなさい」
と言って、師匠は肌襦袢を渡した。
「着心地はどうかね? 明日の舞台はこれを着るんだよ。大丈夫だね?」
「はい、まあ…」
「あと、足袋もいるな。足のサイズにあったものを買いなさい」
ってなわけで、いくつか明日の舞台用の買い物をした。
いつか、ここで自分が選んだ着物を着て、晴れ舞台に立ちたいものだ。
お金を払って店を出た。
「よし、夕飯食べに行きましょう」
車は今度は平良港まで向かい、パイナガマビーチの方向へ
向かっている。
ビーチに近い居酒屋に到着した。
「あれ? 夢も居るのか…」
多良間のヤンママ夢と、下の子リリー、さっき美和子ママと一緒だった
色白の美女そして美和子ママがすでに店に来ていた。
どういうことだ?
夢が言った。
「昨日からみんなで宮古に来てるサー!」

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