多良間経由宮古でコンクールか? たらまー16

ポンコツ34@那覇

2008年08月02日 07:05

デッキでしばらくボーッと海を眺めてから、客席に戻り寝ることにした。
師匠もふたりの孫たちも寝ている。
宮古までは約2時間の船旅だ。自分も寝ようと思ったら、師匠が目を開けた。
「ポンコツ君、用意はいいかね? そろそろ稽古をしよう。三線を準備しなさい!」
孫たちはそのまま寝かせておいて、自分は三線を2本用意し、デッキへ向かった。
師匠もあとから付いてきた。
「ここで弾くのですか?」
「そうです。恥ずかしがっている場合ではありません! 去年受けた池海さんもここでの特訓が結果に出ました。
がんばりましょう」
「わかりました」
「では、“とうがにあやぐ”歌いなさい!」
三線持って歌持ちから弾き始める。
1番、2番と歌った。
「そのまま続けて1番を歌いなさい」
「はい、2番も続けて、また1番へ戻りなさい」
昨日、壺川さん宅での稽古のやり方で続いていく。
多少、波も出てきて、フェリーが揺れる。波音や航行音で声も三線もイマイチ聞き取りにくい。
「ポンコツ君、ちょっとクセを直そうかね。こうやって弾くと良いよ。見ていなさい」
師匠が気が付いた点を指摘してくれる。いつもの大ボケかます師匠はそこにはいない。
「今の点を注意してもう一回やってみなさい」
再び“とうがにあやぐ”を歌い始める。師匠も一緒に歌ってくれている。
3回くらい1番2番の往復が続いて、再び止まった。
「大丈夫だろう、明日は。あと“豆が花”もやってみようか? 歌いなさい」
“豆が花”を歌う。ここでも3回くらい1番2番の往復が続いた。
「こっちでも大丈夫だね。じゃ、次はクイチャーやってみるか? 練習してるでしょう?」
「はい、三線は何とか弾けますが」
“クイチャー”をやってみる。しかし、これは歌詞も難しく、三線もまだ完璧じゃないから
間違えまくりだ。
「これは課題曲じゃないから気にするな。これから稽古に力を入れなさい。こうやってやるんだ。見ていなさい」
と言って、師匠がクイチャーを弾き始めた。
三線は力強く、歌は発音も音程も完璧である。でも、師匠のプレイからは余裕が感じられる。
「三線は、まあ絃を1本1本はじいても良いけど、歌持ちだけはね複数の絃をはじいているのさ。
これだと力強く感じるでしょ?」
確かに、師匠の弾く歌持ちは六線を弾いているような感覚を受ける。
「まあ、これもしっかり練習してみなさい。そろそろ下船の準備をしよう」
気が付けば伊良部島が近くに見え、遥か彼方には宮古の姿が。
そして、あれは伊良部大橋の工事現場? も見える。
“やっと宮古に来たな。そして明日は本番か? がんばるか”
って思う気持ちと“港にゆまちゃん来てるかな?”という
いつもの不純な気持ちのポンコツ君が居るのであった。

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