多良間経由宮古でコンクールか？　たらまー２１

美和子ママに連れられてロビーへ行ったら、モネが師匠やゆまちゃんらと談笑していた。
「（石垣の）師匠からも許可をもらった。ポンコツの本番を見に来た」
とモネは言っていたが、実際は「ゆまちゃんの着物姿が見たいから来た（笑）」とのことだった。
去年の石垣島での再会以来だな。髪が伸びていて色も黒く、ヒッピーみたいだ（笑）。
モネは次週に波照間島で公演があるらしく、連日連夜猛特訓の最中来てくれたようで、ありがたい。
「ポンコツは何番目だ？」
「２０番目くらいだったかな？　午後だろうから、後はのんびりする」
「ゆまは一番最後サー！」
「ゆまちゃんは今年は余裕だろ？」
「そんなことないサー！　モネさんが来たから緊張するなあ…」
と言いながらも笑顔の絶えないゆまちゃんである。
心なしか、モネとの会話ではこの娘は笑顔だなあ…。
「モネ君、君も今から着替えなさい！」
と師匠がオオボケをかましていた。

「じゃ、ポンコツがんばってな。いつもどおりやれば大丈夫サー！　僕は客席でコンクールを楽しむことにするよ」
とモネは言って客席へ消えていった。
でもすぐに出てきた。
「新人賞の審査が終わったみたいだ。ポンコツ？　食事はどうする？」
「本番が終わるまでは食べないことにする。歌っている途中で下呂吐いたらまずいからな。おお、だんだん緊張してきたよ」
自分は楽屋に戻った。
出番を終えた人たちが普段着に着替えている。食事をしている人もいるし、歌っている人もいる。
しずかに水でも飲んで待ちましょう。
スタッフの人が案内に来た。
「これから優秀賞を審査をします。廊下で番号順に並んでください。番号札をちゃんとつけてね」
いよいよ本番だな。
この一年の稽古の成果を発揮しないとな。行くとするか！