沖縄にとろける

カウンターに腰掛け、生オリオンを注文しよう。
岩沢さんは、ビールよりは泡盛派のようで、小グラスで注文していた。
ポンコツはもちろん大だが（笑）。
オリオンがやってきた。
「ポンコツ君、門司まで良く来てくれたね。乾杯しましょう！」
ってなわけで、再会を祝して乾杯だ。
「ポンコツ君、好きなものを頼みなさい。海ぶどうは大丈夫かね？」
「大丈夫です。っていうか、いちばん大好きです！」
岩沢さんがカウンターのママさんにあれこれ注文してくれている。
どうやらほんとに常連のようだ。
奥で歌っている人たちも、岩沢さんに気が付いたようで、
みな挨拶をしにくる。
「この人は、鹿児島のポンコツさんさー！　島思いで知り合った。後で歌ってもらいますね」

海ぶどうは、どうやら品切れのようで、そこでグルクンのから揚げや島らっきょうを食べながら
岩沢さんと沖縄話で盛り上がる。
岩沢さん自体は、三線はあまり弾いていないようで、もっぱら“聞き役”といったところか。
飲んだり食べたりしているうち、岩沢さんキープの泡盛が２本置かれ、
いつしか飲み物は泡盛に変わった。
奥の座敷は相変わらず楽しそうだ。
それとは別のグループ？　の人たちも、各々三線を手にしては
歌っている。
聞いたことのある民謡から、そうでないものまで。
「ポンコツ君、あちらの座敷におじゃましましょう。みんな私の知り合いです」
「鹿児島から来たって言って大丈夫ですか？」
「心配ありません。みんな知ってますから」
多少不安になりながら、その座敷へ向かった。