てぃーだブログ › 沖縄にとろける › 沖縄コラム・散文 › 島唄フェスティバルリポート2

2006年05月14日

島唄フェスティバルリポート2

休憩後、ここからは沖縄のプロミュージシャンの時間だ。
まず大島保克氏が登場。宣伝ポスターでは一番最初に名前が登場していたから〝トリ〟なのだろうと思っていたけど、予想が外れた(苦笑)。
当時の最新アルバム「島めぐり」(名盤だね)の「かいされー」からスタート。
実は大島さんのライブは去年7月、世田谷のパブリックシアターで観ている。
そのときは自分の上京とタイミングが合って、しかもゲストはあの鳩間可奈子ちゃんで、お得なライブだった。
1曲唄うごとに解説を入れてくれる。「小浜節」や「東崎」「多良間しょんかに」のほか、彼のデビュー盤「北風南風」の中から「高那節」も披露してくれ、ラストは名曲「イラヨイ月夜浜」だ。
「最後は僕のオリジナルです。この曲も発表して10年以上経ちますが、いろんな人に歌えてもらえて、ようやく民謡になってきたなあって気がします」
自分は曲の紹介で大拍手をしたんだけど、この日の客は大島保克の偉大さも知らないし、「イラヨイ月夜浜」も知らない人が多かったのか、特に平穏に聞いていたという感じだった。
島唄フェスティバルリポート2
そして最後はこの日自分が一番楽しみにしていた新良幸人Withサンデーの出番だ。
ステージ後方で島太鼓をたたくサンデー。新良幸人は立ったまま三線を持ち唄う。サングラスをかけ、いかつい風貌でステージを動きまわり唄い、三線をかき鳴らす新良さん。
客先はさわついているのがわかる。おそらくお客さんは「想定外」だったのだろう。
新良氏は客の精神状態を知ってか知らずか、「新良幸人です。見てのとおり不良です!あかんべー」と言って客を笑わせる。
「島々清しゃ」「ファムレウタ」など名曲を次々唄っていくが、お客さんは新良氏のすさまじい三線や唄声に度肝を抜かれているのか、あっけにとられているという感じで、拍手がワンテンポ遅い(笑)。
でも、ある曲で新良は「サー! ~ ~ ~」とそのソウルフルな高音で息継ぎもせず叫び続ける。2分以上は声を伸ばしっぱなし。その凄さに客はびっくりしたかのように拍手喝采!びっくり!
彼のすさまじさ、そしてサンデーのリズムの安定度にも驚かされて、加治木まで車をぶっ飛ばしてきた甲斐があったというものだ。

新良幸人Withサンデーのステージが終わり、最後は今日の出演者みんなで競演だ。愛香ちゃんと博美ちゃんは囃子を担当し、男性陣は三線と唄。
「新安里屋ユンタ」である。この唄は客も知っているようでみんな楽しそうに手拍子している。
ふとステージを観て気が付いた。それは4人の三線を弾くスタイルだ。
バチを観ると、築地唄者は竹の板を使い、川畑唄者は水牛の角、大島さんは親指にサムピック(フォークギターでスリーフィンガー等を弾くときに付ける)をはめていて、新良さんは普通のピックで弾いている。
この各々の個性の違いが浮き彫りに出て、それはそれで不思議なものだった。
「新安里屋ユンタ」が終わると同時に、スポットは築地唄者を照らす。
築地唄者は三線をかき鳴らす。すさまじい早弾きと高音の声。「サイサイ節」だ。
築地唄者に合わせてほかの出演者も三線を弾く。女の子ふたりは踊りながら客席に降りてお客さんに踊るよう促している。
すると、どうだろう。お客さんが次々立ち上がって踊り始めたのだ!びっくり!
自分の席だけではなく、立ち上がってそのままステージまで上がる人もいっぱいいる。どうしたことだろう?
何か、普段何かに抑圧されていたものが、一気に解き放たれたような、そんな光景だ。
いつしか会場は巨大なカチャーシー会場と化し、その光景を自分はただ唖然がーんとしながら眺めていたのだが、鹿児島本土内に住む奄美の人たちの〝気〟というものを感じて、未だにその光景は頭の中を離れない。
またこのようなイベントがあったら行ってみたいものだ。
鹿児島県内ではなかなか情報が入らなくて苦戦しているが(苦笑)。
(ネットもあまり普及していないしね)


同じカテゴリー(沖縄コラム・散文)の記事
残波岬2
残波岬2(2011-06-06 21:24)

残波岬
残波岬(2011-05-30 10:34)

斎場御嶽4
斎場御嶽4(2011-05-28 12:55)

久高島
久高島(2011-05-27 23:01)

知念岬5
知念岬5(2011-05-27 17:09)

読谷村2
読谷村2(2011-05-27 08:37)


Posted by ポンコツ34@那覇 at 20:02│Comments(0)沖縄コラム・散文
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。