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2006年04月30日

2006年宮古へ、多良間へ…20

「ポンコツ君、二番は♪なーりーやまーんみゃあいすてぃい ではない。
♪なりやまーうんみゃあいすてぃ って感じで、〝なり〟は早く唄うんだ。同じように♪すーみやーまーんみゃあいすてぃ も、〝すみ〟は早くだよ。あと、出だしだね。♪サー! なりやまーやー はダメです。これではカラオケです。
ほとんどの方がこの唄を誤解している。♪…サー って声楽譜を見なさい。合から四へ上がっています。そこを間違えずに、さあ、もう一回唄いなさい!」
いつしか、稽古の時間になってしまったが、俺には嬉しいこと。
得体の知れない俺に対し、丁寧に理由付けで師匠はアドバイスをくれる。
モネが上達する理由がわかる気がするね。
「豊年の歌はできますか? 唄いなさい」
師匠に言われ、何とか2番まで歌う。読めない発音があって、困っていたのだ。
「何か違ってない?」奥さんが言う。
「全然ダメです(苦笑)」師匠はばっさり! びっくり!
「ポンコツ君、まず囃子は歌わなくてよい。♪サーサーは唄わなくてよいが、その部分のはきちんと弾きなさい。打音もきちんと鳴らすように。あと、○(まる)拍子」をきちんとやりなさい。休みところは休むのです」
「わかりました。師匠、〝き〟に○は何と発音するのですか?」
「これは、○×△■と言いなさい…」
奥さんが言う「あなた? 内地の人にそんな発音できるわけないでしょう?」
「いや、訓練すれば誰でもできます。訓練するのです!」と、いつしか俺そっちのけで師匠と奥さんが論争(?)を始めた。
「ポンコツ君、こうやるんだ。良く見ていなさい」
師匠は俺の三線を手に、「なりやまあやぐ」「豊年の歌」を唄った。
宮古民謡といえば、このブログを見ている多くの方は、国吉源次氏の唄を聞いたことがある方が多いと思う。自分も宮古民謡の練習は、国吉氏のCDを聞いて練習していたのだが、師匠の歌い方、三線プレイは、どうも国吉氏の流派とは少し違うみたいだ。
ただ、言えることは、師匠の教え通りに弾き唄うことが、上達の近道なのだなということ。
いつしか師匠は早弾きで「豊年の歌~我んたが島」をメドレーで唄った。
「ポンコツ君、この2曲はメドレーでやると、気分が良いのサー! 君も覚えなさい。そう、君が鹿児島に帰るときに、私の歌を録音したテープをあげるから、次回ここへ来るときまでに練習してきなさい」
「師匠、ありがとうございます。でも、こんな夜遅くに音出して大丈夫ですか?」
「ここは沖縄さあ、大丈夫だ。ポンコツ君、君は7月ひまかね? 民謡コンクールがある。それに向けて練習しなさい!」
「はあ?びっくり!
「携帯を教えなさい。日程がわかったら電話するから」

この日の師匠とのやりとりを、悪友モネにメールで報告したらモネは「師匠の弟子に任命されたね! 目出度い! 次回は何時?(笑)」なんてレスが帰ってきた。
嗚呼、俺は、師匠の弟子に正式になったんだ…。もうやめられないぞ!
今まで以上に稽古に励もうか…。
2006年宮古へ、多良間へ…20

「ポンコツ君、まだ料理は食べられるかね? 君が来るってことでごちそうを一週間前から準備していました。やぎ汁です。食べたことありますか?」
「いえ、無いです」と顔を引きつりながら答える俺である(苦笑)。
どうも聞くところによると、やぎ汁は匂いが強烈だ、腹を下す、だるくなる、高血圧の人は死ぬ寸前まで追い込まれる…、とかだが果たして大丈夫なのか?がーん
「ポンコツ君、人それぞれだ。別に死にはしない。騙されたって思って食べなさい」
奥さんがヤギ汁を持ってきてくれた。灰色(?)のスープはとても食欲をそそるとはいえない。
おそるおそる口に肉を入れてみる。
肉は鳥のササミ肉みたいで、細かい筋が特徴だ。
〝ささみだと思えば大丈夫かな? でもにおいを嗅がないようにしよう〟
「ポンコツ君、今回のヤギ汁はうまくできたほうだよ。においがあまりしないでしょう? においがキツイとこんなもんじゃないよー!」
奥さんが笑いながら説明する。ニコニコ
半分程度食べてみた。
「ポンコツ君もう少しだ。全部食べなさい」
冷や汗(^^ゞをかきながら、ようやく〝完食〟した。
「ヤギ汁全部食べたね、すごいねポンコツ君。普通内地の人は全部食べられないよ」
奥さんが笑っている。

多良間島は新しい村長のもと、やぎによる島おこしを目指して活動を強化しているそうだ。旧多良間空港はやぎ牧場として整備する計画があるようだし、やぎ肉・やぎ料理を沖縄全体に広めていこうとの取り組みもされていると聞く。
やぎによる島おこしが成功すれば、多良間島の発展は間違いないね。
まあ、あまり発展せず変わってもらいたくないっていう意見もあるだろうがね。
一人の観光客の要望としては、多少多良間島が発展すれば那覇との飛行機直行便が開設されないかな?っていう期待があるのだが。
「ポンコツ君、明日は雨みたいだ。農作業はできないな。どうするかね?」
「はい、民俗学習館を見学したいなって思ってます」
「良いことだね。多良間島の歴史や文化をしっかり勉強してください」
気が付けば夜の11時半。もっと居たかったが奥さんは明日も仕事で朝早いというし、ゆまちゃんもまりかちゃんも自分の部屋に戻ったようだ。
帰るとしよう。短い時間ではあったが、酒も飲めたし、ヤギも食べたし(笑)、唄三線も教わったし、ゆまちゃんの唄も聴けたし(空港の娘が別人で良かった)、楽しいかりゆしの夜だった。おすまし
帰りはパティオまで奥さんに送ってもらった。
奥さんはもともと内地の人らしいので、自分のような内地人にはどこか親しみを感じてくれているようで、ありがたいことだ。
パティオで奥さんと別れ自分の棟へ戻った。今日はゆっくり寝よう。おやすみなさい。




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Posted by ポンコツ34@那覇 at 20:56│Comments(0)多良間島
 
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