2006年05月08日
2006年宮古へ、多良間へ…24
「今から迎えに行くからパティオの玄関で待っていなさい」
師匠はそう告げて
を切った。
玄関で待っていたら奥さんが
で迎えに来てくれた。
車に乗って師匠のマンションへ(笑)。
「今日もおじゃまします」
「えっと、誰誰さんと、誰誰さんと、えっと、…」
ゆまちゃんが何かを数えている。
「師匠、ゆまちゃんは何を数えてるのですか?」
「それはね、今度米寿祝いをあげる人の数だよ」
「ずいぶん多いですね」
「近所はほぼ全員だからな」
「みんな親戚なのですか?」
「いや、そうじゃない。ポンコツ君、前も言ったよね。沖縄のゆいまーるの精神だよと。助け合いさ」
奥さんが言う。「こんなことに一生懸命なのよね。私はあまり好かないけど」
「何十件もお祝いあげたら破産しちゃいますよ!」
「ポンコツ君、こうやってね、やっとけば今度自分たちの時にね、ちゃんとお返しが来るんだ」
「大変ですね、沖縄って…」
自分の中で沖縄に将来移住できたら…って気持ちが一瞬にして凍りついた。
現実をひとつ知った思いだ。
「ポンコツ君、来年ゆまは高校入学だよ。お祝い持ってきてね!
」
奥さんが言う。
「ゆまちゃんだったらはい、がんばります。モネにも言っておきます
」
「ポンコツ君。
持ってきたね。さっそく唄いなさい。ゆまがね、君の唄を聴きたいって言ってるよ」
唄う気はなかったが、ゆまちゃんの頼みなら唄わないとな。
「かたみ節が良かったって。さあ唄いなさい」
三線をケースから取り出し、早速昨日に引き続き【かたみ節】。
「ごめん、ポンコツ君。この唄じゃなかった。良かったのは【四季口説】だったよ(苦笑)」
ってなわけで、こんどは【四季口説】を唄う。いつの間にかこの二曲は工工四も見ることなく唄えるようになっていた。
完全に俺のレパートリーになったようで、ゆまちゃんもじっくり自分の唄を聴いていてくれてそれはそれは嬉しい気分だ。
「ポンコツ君思ったよりうまいわね。ゆまもポンコツ君に
教わったら
」
奥さんが笑いながら言う。
「三線に限らず、酒も大人も教えます
」
って切り返したら「ポンコツ君、ゆまには変なこと教えちゃだめよ」
と言われてしまった。(苦笑)

ゆまちゃんは、手に何かを持って自分のそばに近づいてきた。何だろう?
ポンコツさん、抱いて…、なんて言われたらどうしようか?
でも、そんな心配は杞憂に過ぎなかった。(笑)
「ポンコツさんはどこから来たの?」
と言って、日本地図を広げた。
「お兄さんはね(と言った)鹿児島だよ。どこだかわかるかい。ここだよ
」
と地図を指差す。
「こんな遠くにいるんだ」
「多良間島はここだね。何百キロ離れてるかな?」
そんな話をゆまちゃんとする。
「ポンコツ君、
を貸しなさい」
師匠に手渡す。師匠は歌い始めた。【多良間しゅんかに】
だ。
「ポンコツ君、私の手を良く見なさい」
宮古民謡の傑作【多良間しゅんかに】を師匠が唄う。
運指が三線の基本ではなく、俗に言う〝左手中位〟という弾き方だ。
「工工四には載っていないけど、指使いはこのようにしなさい」
急いでゆまちゃんにエンピツを借りて、工工四にメモを取り始めた自分であった。
「昨日も唄ったね。【豊年の歌】これは押せ押せムードが大事だね。元気良く弾きなさい」
「【伊良部トーガニー】これはね、遠くから近くへだんだん近づいてくるような唄い方をしなさい」
「【とうがにあやぐ】これはね、工工四の通りに弾いても良いけど、かくし味を使いなさい」
そのかくし味はここでは秘密にしておきたいが、師匠は目の前で三線を弾き解説をし唄う。
うん、モネにしても全国で三線を習っている人たちが上達するのは、目の前でうまい人のプレイが見れるからなんだね。
鹿児島に在住してて何が出来る? このハンデ? どうしたらよい?
そうはいっても今の状況は受け入れないといけない。
頻繁に師匠の元に通えればいいが、今の安月給じゃなあ…。(T_T)

「ポンコツ君、
買ってきてくれたね。どうもね。ママ? ポンコツ君がビール買ってきてくれたよ。しかも高いビールだ」
「師匠、これは普通のオリオンですよ。大した金額じゃありません」
「ポンコツ君、これはオリオンドラフトです。ビールだよね? うちでは、今周りの人はね、オリオン辛口とかを飲んでるんだよ。発泡酒だけど辛口がね、だいぶ味が良いから、そっちに切り替えてるんだ」
と言いながらも、ふたりで、いや三人で飲み干した。
「今日は菊の露を飲みましょう。たくさん飲んでね。そうそう、ゆまが作ったピザも食べてね」
酒はともかく、ゆまちゃんのピザはおいしいなあ。
ゆまちゃんはほんと全てを兼ね備えてるねえ。頭は良いらしいし、部活動も成績を残している。三線もうまいし、家の手伝いはするし、非の打ち所がないね。
「ゆまの手料理は上等でしょ? ママが作らないからうまくなる(爆)」と悪友モネは毒舌を吐いていたが。気が付いたら12時前になっている。明日は帰宅だ。みんな仕事だ学校だだね。おいとましないといけないな。
「ポンコツ君、明日は
一便かね?」
「はい、そうです」
「じゃバスは10時ごろ迎えに来させなさい。で、明日は9時ごろ私の勤務先に来なさい。私の歌のカセットをあげます。これを聞いて練習に励みなさい」
「わかりました」
明日は鹿児島へ帰りだ。あと何日か居たい気分だな。名残惜しいが楽しみはまた次回で。おやすみなさい。
師匠はそう告げて

玄関で待っていたら奥さんが

車に乗って師匠のマンションへ(笑)。
「今日もおじゃまします」
「えっと、誰誰さんと、誰誰さんと、えっと、…」
ゆまちゃんが何かを数えている。
「師匠、ゆまちゃんは何を数えてるのですか?」
「それはね、今度米寿祝いをあげる人の数だよ」
「ずいぶん多いですね」
「近所はほぼ全員だからな」
「みんな親戚なのですか?」
「いや、そうじゃない。ポンコツ君、前も言ったよね。沖縄のゆいまーるの精神だよと。助け合いさ」
奥さんが言う。「こんなことに一生懸命なのよね。私はあまり好かないけど」
「何十件もお祝いあげたら破産しちゃいますよ!」
「ポンコツ君、こうやってね、やっとけば今度自分たちの時にね、ちゃんとお返しが来るんだ」
「大変ですね、沖縄って…」
自分の中で沖縄に将来移住できたら…って気持ちが一瞬にして凍りついた。

現実をひとつ知った思いだ。
「ポンコツ君、来年ゆまは高校入学だよ。お祝い持ってきてね!

奥さんが言う。
「ゆまちゃんだったらはい、がんばります。モネにも言っておきます

「ポンコツ君。

唄う気はなかったが、ゆまちゃんの頼みなら唄わないとな。
「かたみ節が良かったって。さあ唄いなさい」
三線をケースから取り出し、早速昨日に引き続き【かたみ節】。
「ごめん、ポンコツ君。この唄じゃなかった。良かったのは【四季口説】だったよ(苦笑)」
ってなわけで、こんどは【四季口説】を唄う。いつの間にかこの二曲は工工四も見ることなく唄えるようになっていた。
完全に俺のレパートリーになったようで、ゆまちゃんもじっくり自分の唄を聴いていてくれてそれはそれは嬉しい気分だ。
「ポンコツ君思ったよりうまいわね。ゆまもポンコツ君に


奥さんが笑いながら言う。
「三線に限らず、酒も大人も教えます

って切り返したら「ポンコツ君、ゆまには変なこと教えちゃだめよ」
と言われてしまった。(苦笑)

ゆまちゃんは、手に何かを持って自分のそばに近づいてきた。何だろう?
ポンコツさん、抱いて…、なんて言われたらどうしようか?

でも、そんな心配は杞憂に過ぎなかった。(笑)
「ポンコツさんはどこから来たの?」
と言って、日本地図を広げた。
「お兄さんはね(と言った)鹿児島だよ。どこだかわかるかい。ここだよ

と地図を指差す。
「こんな遠くにいるんだ」
「多良間島はここだね。何百キロ離れてるかな?」
そんな話をゆまちゃんとする。
「ポンコツ君、

師匠に手渡す。師匠は歌い始めた。【多良間しゅんかに】

「ポンコツ君、私の手を良く見なさい」
宮古民謡の傑作【多良間しゅんかに】を師匠が唄う。
運指が三線の基本ではなく、俗に言う〝左手中位〟という弾き方だ。
「工工四には載っていないけど、指使いはこのようにしなさい」
急いでゆまちゃんにエンピツを借りて、工工四にメモを取り始めた自分であった。
「昨日も唄ったね。【豊年の歌】これは押せ押せムードが大事だね。元気良く弾きなさい」
「【伊良部トーガニー】これはね、遠くから近くへだんだん近づいてくるような唄い方をしなさい」
「【とうがにあやぐ】これはね、工工四の通りに弾いても良いけど、かくし味を使いなさい」
そのかくし味はここでは秘密にしておきたいが、師匠は目の前で三線を弾き解説をし唄う。
うん、モネにしても全国で三線を習っている人たちが上達するのは、目の前でうまい人のプレイが見れるからなんだね。

鹿児島に在住してて何が出来る? このハンデ? どうしたらよい?
そうはいっても今の状況は受け入れないといけない。
頻繁に師匠の元に通えればいいが、今の安月給じゃなあ…。(T_T)

「ポンコツ君、

「師匠、これは普通のオリオンですよ。大した金額じゃありません」
「ポンコツ君、これはオリオンドラフトです。ビールだよね? うちでは、今周りの人はね、オリオン辛口とかを飲んでるんだよ。発泡酒だけど辛口がね、だいぶ味が良いから、そっちに切り替えてるんだ」
と言いながらも、ふたりで、いや三人で飲み干した。
「今日は菊の露を飲みましょう。たくさん飲んでね。そうそう、ゆまが作ったピザも食べてね」
酒はともかく、ゆまちゃんのピザはおいしいなあ。

「ゆまの手料理は上等でしょ? ママが作らないからうまくなる(爆)」と悪友モネは毒舌を吐いていたが。気が付いたら12時前になっている。明日は帰宅だ。みんな仕事だ学校だだね。おいとましないといけないな。
「ポンコツ君、明日は

「はい、そうです」
「じゃバスは10時ごろ迎えに来させなさい。で、明日は9時ごろ私の勤務先に来なさい。私の歌のカセットをあげます。これを聞いて練習に励みなさい」
「わかりました」
明日は鹿児島へ帰りだ。あと何日か居たい気分だな。名残惜しいが楽しみはまた次回で。おやすみなさい。
Posted by ポンコツ34@那覇 at 20:02│Comments(0)
│多良間島