2006年04月09日
2006年宮古へ、多良間へ…12
唄者・古謝正行師匠との会話は続く。
「師匠はもう何十年も
をされてるんですよね?」
「いや、自分はそんなキャリアないよ。30代後半から始めたんだ。だからまた10年経っていない」
「ほんとですか? そんな風には見えません。驚きです。囃子
の女性は奥さんですか?」
「いや、弟子だよ(笑)。そんな一生懸命、悲壮感をもって稽古したってことはないんだ。楽しみながら弾いていたらこうなったってことでね。だから、君も楽しみながら弾いていればこれくらい弾けるようになるよ
」
「自分は君も知っていると思うけど、喜納昌吉さんのお父さんに当たる喜納昌永さんの弟子なんだ。喜納流だね。古典と違って民謡は一言で言えば〝自由〟。自由に弾き唄うことで伝承していくものなんだよ。例えば、自分は今日ピックで
弾いていたけど、日本で一番最初に
をピックで弾いたのが、師匠の喜納昌永なんだ。古典は型というものを踏み外すことは出来ない。でも、民謡は自由だから。自分がライブでカラオケをバックにするのも、自由って概念があるからかな?」
「ありがとうございます。第二ステージも期待しています」
「宮古島へはいつまで居るのかな?」
「明日、多良間島へ行きます。島に知り合いの人が居て、
の先生しているので」
「何て言う方?」
「渡嘉敷(仮名)さんです」
「ああ渡嘉敷さんか? 名前は知っているよ。また君に店にきてもらえることを期待している」
師匠はステージの準備へ向かった。
店内を見回してみる。
師匠の「師範免許状」があった。さっきの師匠の説明通り【喜納流】と書かれていた。

第二ステージが始まった。途中、中年男性が8人で店にやってきた。
師匠は「おお、良く来たね」と言っている。どうやら知り合いなのだろう。
知り合いが来て師匠のライブもノリノリだ。
中年男性の数名は立ち上がって、カチャーシーを始めた。
「おお、踊ってる踊ってる」と自分はその光景を見て喜んでいたが
踊っている男はこっちへ踊りながらやってきて
俺の腕を引っ張るではないか! 〝嗚呼、お前も踊れということだな〟
自分もステージの前でカチャーシーをやるはめに。
ここまで
や泡盛を大量(?)に飲んでいるからか、フラフラする。
自分の席に戻って、再び酒を飲む。ステージは超高速早弾きで盛り上がり
第二ステージが終了した。
中年男性8人組みは、隣のテーブルに座っている。
何気なく会話を聞いていたらどうやら与那国島からやってきたようだ。
師匠も中年テーブルで談笑している。
ひとりの中年というか初老の男性が俺の隣に来て話しかけてきた。
「どうもね、君はどこから来たの?」
「鹿児島ですけど」
その言葉は、初老の男を刺激したのか? これしか言っていないがね。
「お前は鹿児島か! お前らが我が琉球を侵略した…! 琉球を食い物にしやがって
」
酔いが回っている。俺も初老の男も。最初はわからなかったが、意味を理解して俺は〝ハッ〟とした。
「俺はお前に言いたいことがある。その昔薩摩はな、我が琉球を…
」と講義、いや説教を始めたのだ。
「お客さん、俺は観光でここに来てるのですよ。あなたの話を聞きに来たのではない
」
「薩摩だまれ! お前らが琉球を侵略した
」
昔の歴史を言われたら、はいそうですねと言うしかないが、それで何が変わるというのよ? 鹿児島人は沖縄に来てはいけないということか?
「お客さん、俺は民謡を聴きに店に来てるのよ。あなたの説教聞きに来てるのではない。その場を離れて自分たちのテーブルに戻りなさい
」
初老の男は今にも俺に掴みかかろうとしている。俺は臨戦態勢に入った(笑)。
でも、せっかくのかりゆしの夜を台無しにしたくない。ここは機転を利かそう。
トイレに行くフリをして俺は店の従業員を呼びとめ「あのオッサンが絡んできて迷惑している。座席を移動するよう告げてほしい
」
従業員の説得で、初老の男は本来のテーブルへ戻った。
第三ステージも見たかったが、ホテルへ戻ることとした。
従業員は店の外まで出てきて「不快な思いをさせてすみませんでした」と俺に謝った。
「いや、お店の人が悪いんじゃないから。また来ます」
何度か沖縄での夜を過ごしたが、初めてだろうな、こんな不快な気持ちになったのは。沖縄人に問いたくなるよ。鹿児島人が観光に来ることは間違いなのか? って。では、おやすみなさい。
「師匠はもう何十年も

「いや、自分はそんなキャリアないよ。30代後半から始めたんだ。だからまた10年経っていない」
「ほんとですか? そんな風には見えません。驚きです。囃子

「いや、弟子だよ(笑)。そんな一生懸命、悲壮感をもって稽古したってことはないんだ。楽しみながら弾いていたらこうなったってことでね。だから、君も楽しみながら弾いていればこれくらい弾けるようになるよ

「自分は君も知っていると思うけど、喜納昌吉さんのお父さんに当たる喜納昌永さんの弟子なんだ。喜納流だね。古典と違って民謡は一言で言えば〝自由〟。自由に弾き唄うことで伝承していくものなんだよ。例えば、自分は今日ピックで


「ありがとうございます。第二ステージも期待しています」
「宮古島へはいつまで居るのかな?」
「明日、多良間島へ行きます。島に知り合いの人が居て、

「何て言う方?」
「渡嘉敷(仮名)さんです」
「ああ渡嘉敷さんか? 名前は知っているよ。また君に店にきてもらえることを期待している」
師匠はステージの準備へ向かった。
店内を見回してみる。
師匠の「師範免許状」があった。さっきの師匠の説明通り【喜納流】と書かれていた。

第二ステージが始まった。途中、中年男性が8人で店にやってきた。
師匠は「おお、良く来たね」と言っている。どうやら知り合いなのだろう。
知り合いが来て師匠のライブもノリノリだ。
中年男性の数名は立ち上がって、カチャーシーを始めた。
「おお、踊ってる踊ってる」と自分はその光景を見て喜んでいたが

踊っている男はこっちへ踊りながらやってきて
俺の腕を引っ張るではないか! 〝嗚呼、お前も踊れということだな〟
自分もステージの前でカチャーシーをやるはめに。
ここまで

自分の席に戻って、再び酒を飲む。ステージは超高速早弾きで盛り上がり
第二ステージが終了した。
中年男性8人組みは、隣のテーブルに座っている。
何気なく会話を聞いていたらどうやら与那国島からやってきたようだ。
師匠も中年テーブルで談笑している。
ひとりの中年というか初老の男性が俺の隣に来て話しかけてきた。
「どうもね、君はどこから来たの?」
「鹿児島ですけど」
その言葉は、初老の男を刺激したのか? これしか言っていないがね。
「お前は鹿児島か! お前らが我が琉球を侵略した…! 琉球を食い物にしやがって

酔いが回っている。俺も初老の男も。最初はわからなかったが、意味を理解して俺は〝ハッ〟とした。
「俺はお前に言いたいことがある。その昔薩摩はな、我が琉球を…

「お客さん、俺は観光でここに来てるのですよ。あなたの話を聞きに来たのではない

「薩摩だまれ! お前らが琉球を侵略した

昔の歴史を言われたら、はいそうですねと言うしかないが、それで何が変わるというのよ? 鹿児島人は沖縄に来てはいけないということか?
「お客さん、俺は民謡を聴きに店に来てるのよ。あなたの説教聞きに来てるのではない。その場を離れて自分たちのテーブルに戻りなさい

初老の男は今にも俺に掴みかかろうとしている。俺は臨戦態勢に入った(笑)。
でも、せっかくのかりゆしの夜を台無しにしたくない。ここは機転を利かそう。
トイレに行くフリをして俺は店の従業員を呼びとめ「あのオッサンが絡んできて迷惑している。座席を移動するよう告げてほしい

従業員の説得で、初老の男は本来のテーブルへ戻った。
第三ステージも見たかったが、ホテルへ戻ることとした。
従業員は店の外まで出てきて「不快な思いをさせてすみませんでした」と俺に謝った。
「いや、お店の人が悪いんじゃないから。また来ます」
何度か沖縄での夜を過ごしたが、初めてだろうな、こんな不快な気持ちになったのは。沖縄人に問いたくなるよ。鹿児島人が観光に来ることは間違いなのか? って。では、おやすみなさい。
Posted by ポンコツ34@那覇 at 09:47│Comments(0)
│宮古島